山形ボバース研究会since1998

ご挨拶



山形ボバース研究会を代表し、ご挨拶申し上げます。

山形ボバース研究会は、1998年初冬、講習会を終了した会員が集い設立し、活動を開始しました。その頃は20名をやっと超えるくらいの会員数でありましたが、コンセプトを同じくし、患者さんの治療に熱心な会員が多く、立ち上げと同時に勉強会の行動計画がたてられ、年に3回地域別に担当を決めて実施されるようになっています。小児や成人の中枢神経障害をもつ対象者に協力を得ながら、会員が中心になって治療について検討し討論および技術伝達することから始めました。対象者を前にしながら現在何をしようとしているか、何を悩んでいるか等々、自分たちが情報を得て実施していることを稚拙ではあるにしても確かめ合いながら伝え合っていたことを思い出します。また、1998年東北ブロックにおける症例検討会を山形が担当し、東北6県から多くの参加者が上山温泉に集まり、2日間の研修が開催されました。ここでは会員のみならず、治療に悩んでいるセラピストたちが多数参加し膝を交えながら話あったことや、予想以上の参加者の熱気に感動を覚え、治療者として多くのセラピストが治療そのものに悩み努力している実態が伺え、学術研究会とはまた異なる新しい刺激を得たことも自分にとっては大切な実感であり、研究会を継続し、力をつけていきたいと思う礎にもなりました。

その後研究会活動は10年を超す時を重ねてきました。その間にボバースコンセプト自体も急激な脳研究の進歩を土台に、新しい情報を吸収しながら理論的にも技術的にも進歩してきています。患者さまが1人1人であるように治療者が感じるべきことも個別でありますが、これまでも多くの仲間に支えられ、紀伊先生を始め多くの指導者に支えられながら少しずつ力をつけることができてきました。個人的には、やっとこの頃患者様の変化を実際に体感できるようになってきているように思いますが、ヒトとしてヒトの変化に良い影響を与えることの難しさは、年を重ねるごとに増していくように感じます。やはり人の話に耳を傾け、良い情報を得るために常に専門職として前向きに進むことが必要であり、大切であると思っています。

山形ボバース研究会は会員も年々増加し、学習を重ねるごとにヒトに関する理論も治療に対する技術も向上していると思いますが、まだまだわからないことが多く、課題も本当に山積みです。おそらくこれで良いという時は将来にわたってあるとは思えませんが、意を共にする仲間とともに一段ずつ確実にステップアップすることを目指して前進することを確認し、ご挨拶といたします。




山形ボバース研究会  相談役 高橋 穂



inserted by FC2 system